「偉人」と呼べる人



昨秋訪れた安曇野、大王わさび園から撮った「北アルプス」前衛峰・有明山。深田久弥が「百名山」に選ぼうとしたけれど、当時登山道が崩壊していて登れず、背後の燕岳や大天井岳などと共に選に漏れたそうだ。

そんな安曇野の地から野菜が届いた。



 

生産者および送り主は言わずと知れた(?)Mooさん、村端浩さんである。Kへの誕生日プレゼントとして野菜をお送りいただいたが、私にもお裾分け。

本当に手塩にかけて育てられた野菜たちだ。Mooさんは農家出身ではないし、農業従事者でもない。富山市の元海軍通信兵だった郵便局員のお父様と音楽教師の母上様の間のご長男だ。東北大理学部数学科の学生として仙台に4年暮らし、名古屋で教員生活を始められた。そして郷里の進学校でも教鞭を取られ、後上京、当時は首都圏最大生徒数を誇った塾で最高水準の数学と算数指導をされるのだが、そこで私は知遇を得た。今年一月に傘寿を迎えられた。

私は1994年に再デビューできることになって塾を辞めたが、2000年に復帰の際はご尽力をいただいた。そしてまもなくMooさんは安曇野池田町に家を建て、お連れ合いと移り住まれたのだった。その時から始められた耕作。以来何度その恵みをいただいてきたことか。

凝り性でいらっしゃるのは間違いない。PC関係の深い知識と技術、蔓工作などすぐに頭に浮かぶが、何より被災者支援や平和・護憲運動、バラ園造成・運営、町政への提言などにリーダーやリーダーの一人として密度濃く関わり、また松本市で子ども塾や子ども食堂への無償教育支援、食糧提供もされてきた。すべてにおいて、「そこまでやられますか!」と舌を巻くレベルで尽力され、成果を上げられてきた。

偉人である。

そう称揚したら、間違いなくMooさんは激しく謙遜されるはずだ。しかし本当に、私の交際界で「偉人」と言える唯一の人物だと思っている。

一言で言うと、Mooさんは慮りの人、もっと簡単に言うと、やさしいのだ。

今回の野菜の梱包の仕方にもその「慮り」が如実に現れている。ギュッと詰め込んでいるけれど、できるだけ輸送中に傷まないようにひとつひとつの野菜の詰めかたに配慮がされているのだ。とにかく丁寧、なのである。空間を最大限活かしつつ(数学者として流石の空間認識)、しかも各野菜が押し合って傷め合うのを極力抑えている。

Kもきっと梱包を解いたとき賛嘆の声を上げたはずだ。

感謝感激。ありがたく既に数種の野菜をいただいた。うまい。

*

今朝世田谷は涼しい。

2026年の夏は近年稀にみる涼しい夏だったと言えそうだ。まだ早い?いや、暦上ではあるが、なんと立秋が迫ってきたのだ。八月七日である。あと11日。

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