樹間の空
私は上の写真のように木々の並びの間に開いた空が好きで、そのフレームとなるfoliageを含めて撮る。この写真は砧の家の近くで撮った、2週間前くらいのもの。 この構図で一番忘れられないのは・・・とは云えそのときはカメラを持っていなかったが・・・皇居(江戸城)北の丸公園の西の端、主にクスノキに覆われた、千鳥ヶ淵を望むベンチのある場所で眺めた空、そしてそのフレームとなったクスノキが成す<一幅の絵>あるいは<動画>だ。 当時(2001年辺り)はかなり精神的に落ち込まざるを得ない日々を過ごしており(旧ブログで再三書いたいわゆる「漱石病時代」)、なんと江戸時代は旗本・御家人の居住地だった新宿区砂土原町に<逆都落ち>で暮らし(とは云え「鰻坂」を上ったところのまさに鰻の寝床のようなワンルームだったが)、狛江での日々を懐かしんで泣いてばかりいた(嘘)。 そんな中で、その空は青く、一片の白い雲が「クスノキフレーム」の左から現れ、右「フレーム」に吸い込まれるように流れ行き、視界から消えてゆく。そしてまた新たな雲が・・・。 ただそれだけの絵、動画をずっと見ていた。そしてどれほどに「行雲流水」という言葉をこれ以上ないと言えるほど心に染み渡らせたことか。 そんな思い出の地だけれど、あまり行きたいとは思わない。娘と孫に会いに行けば、そう遠くない北の丸公園であり、自転車で行けば帰りに立ち寄ることもできるけれど、今のところ一度もそうしたことはない。「漱石病時代」はやはり総じて苦しい思い出が多かったからだ。それでも、<クスノキ・フレームのあの絵・動画>を観て、人生でもっともしみじみとした無常感を味わった時間は忘れがたく、良い思い出だと言っていい。