投稿

頂上の景色

イメージ
  写真は、なんの変哲も無い公園(喜多見ふれあい広場)入口、そして遠景に成城の丘、さらに天文学的に遠い景色として十三夜だったかの月。数日前のこと。 世田谷区と小田急はすばらしい場所を造ってくれたものです。ここにはもう数え切れぬほど来ていて、古くは三十歳代だった自分の<思い>が残っているのです。それがたとえ悲しみの記憶と結びついたものであっても、しみじみ懐かしい。この広い空は、まさに<空>であって、なんでも容れて、なんでも溶かす。 * Mooさんが大学時代のことを語ってくださっています。 https://moo-new.hatenablog.com/archive/2026/09/28 中でもこの一文に注目しました。 「教職についてからは、理学部で学んだことが大いに役に立ったとつくづく思うのです。山の中腹から眺めるより、頂上から見渡す方がはるかに見通しがきくと同様に、学ぶ内容を少しでも高いところから理解し、それを踏まえて子どもたちと接することができた意味は大きいのです。」 そう。Mooさんが学ばれた場は教育学部の数学教師養成の課程ではなく、理学部の数学科です。<数学山脈>のうちのどれかひとつの峰の「頂上」の景色を見なければならない使命を自ら課して4年の歳月を送らねばならなかったMooさんなのです。そう、数学山脈にはいくつものpeaksがあり、それは例えばMooさんのお家から眺める常念山脈のようなもの。その内のこれまた例えば蝶ヶ岳に登頂すれば、常念山脈の他の山々の頂点はおろか、槍ヶ岳・穂高の山々のや、後立山連峰のも見える。条件がもっと良ければ、いわゆる「南アルプス」のも、八ヶ岳連峰のも、そしてなんと富士山のすらも見える。それら全ての頂上には行かずとも、それらが見えるところまで到達した人の視界とその境地は、下界や中腹にいる者にはあくまで想像するものでしかないのです。 トップの専門性を持った人が教師となって、小学生や中学生、そして高校生にその専門領域の基礎部分を教えるというのは児童生徒にとって贅沢なことです。Mooさんの教え子さんたちは本当に羨ましい。 * 東京は台風が通過して土曜日あたりに晴れるらしいけれど、今日降れば連続34日となって、観測史上最長になるらしい(2019年6月27日〜7月29日の33日間の記録がある)。きっと37日連続という新記録が出るだろう。 ...

「お前」が多いほど残る

イメージ
  昨日に続いて狛江の多摩川べりから登戸方面を望む写真。違うのは、撮影地点が「五本松」により近いことと、これは数日前のものということだ。 東京はまた太陽の出ない朝だ。雨もポツポツ、うんざりだ。 * https://news.yahoo.co.jp/articles/c99273c1a1ac61bc001b1c20def8cbc1feadaebb この記事、笑っちゃった。おいらが出てゐるぢやないか。 * 昨日Twitterを見ていたら、ある新聞に載った投書の引用があって、『続氷点』で三浦綾子が、「一生を終えてのちに残るのは、われわれが集めたものではなくて、われわれが与えたものである」と書いているとのことを知った。 大して知らない門外漢もどきだが、私は「え、これマルクスじゃん」と思った。 「食べたり飲んだり本を読んだり劇場やダンスホールや居酒屋に行ったり、考えたり愛したり理論を立てたり歌ったり描いたり剣を使ったりすることが少なければ少ないほど、多く貯蓄できる。……お前が少なければ少ないほど、多く持つ。自分の生命を表現することが少なければ少ないほど、疎外された生命は大きくなる。」〜『経済学・哲学草稿』(1844年)の「貨幣の力」 我がブログを読んでくださっている皆さま、言っていることの趣旨は同じだとお思いでしょうか?私はそう思っております。「お前が多ければ多いほど、お前は没後もより残る」と言っているのだと思うのです。 残ったからなんだ、というのもあります。死んだら知ったこっちゃない、かもしれない。しかし、「生命」の「表現」者は己の表現=「お前」が残ることを望むものなのです。

Loving Mathematician

イメージ
  ほぼ一年前の写真。狛江の多摩川岸から登戸方面を望む。秋闌(たけなわ)。 * 今年、東京は今日で連続32日の降水を記録するという異常事態だ。日中晴れた日もあったが、その朝か夜に降雨量が観測されていたのだ。さらに記録が伸びるか・・・台風26号が近づいているらしい。また千葉に大雨が降ったらどうなることだろう。すでに甚大な影響が出ている中だ。 もちろん千葉ばかり心配であるわけではない。東京だってそうだ。 写真の多摩川だって、未曾有レベルの大雨が続けば氾濫する。狛江市も、調布市も、世田谷区も危ない。世田谷区だと、喜多見や宇奈根、鎌田、玉川などの川沿いの低地に住む方々が戦々恐々となる。高台でも、国分寺崖線の際に建つ家々もその地盤の崩落などが十分ありうる。そのうち、私がいつもと言っていいほど足繁く歩いたり自転車で通る成城の3、4丁目や、岡本2丁目や3丁目だ。家の窓から富士山が見えるという贅沢な立地ながら、崖の際に建っているマイナスを抱えている豪邸街だ。まあ、住民たちは大変な富裕層の人々だから対策は万全というところが多かろうが、なにしろ自然は侮れない。 過日書いた喜多見不動堂(成城4丁目2)もまさにそういうところに建っていた(解体はまだされていないか?)。危な過ぎて廃堂となったのだ。 東京はもう雨は当分結構だ。天よ、赦してください(何を?)。 * ここ3日くらい生々しい夢を見ている。淫夢ではない(残念)。現実を相当反映した内容という意味で「生々しい」なのだ。内容は言えないが、3日前のではなんとベッドから転がり落ちた。人生で2回目ではないか。 * YouTubeでなぜなのか、数学関係のビデオが紹介された。なぜかと書いたけれど、私が数理(理数)系のショートビデオを超文系のくせに見ることが多いからだろうと思う。「理学部数学科」で検索すればいくつもビデオが紹介される。全く何を言っているのか分からないのに、数分と言わずそれなり長く見てしまうことがあるのは、もう20年近く前放送大学の数学の講義を見ていたときから変わっていない。 Mooさんが東北大学理学部数学科の卒業生であることは過去に数度記したことがある。人類のおそらく99%以上にとってチンプンカンプンな学問を少なくとも4年間履修してきたMooさんという人は、私やKなどには底知れぬ知性をお持ちなのだとあらためて思う。 https:...

長月雑記 4

イメージ
  写真はおととい、喜多見ふれあい広場。 * 千葉の北東部はこの未明にまた大雨になっていたようで本当にお気の毒だ。もう何回目の大雨だろう。あの辺りは私にとって思い出深いところなので、一層心痛む。どうか被害がないようにと祈るのみ。 * Kが最新Vlogで自転車の一時停止違反をしてしまい、警察から警告を受けたことを告白していた。彼も遵法意識が強い人間なので、いささか驚いた。私の昨日の記事もあって、なんともタイミングの悪いミスだった。 * 昨夜仕事を終えてから砧公園へ行き、歌を唄った。久しぶりのことだった。Zeppelinの Black Dog (トップ・ピッチはE5)も、CCRの Have You Ever Seen the Rain (トップ・ピッチはC5)も相変わらず歌えるのだけれど、どうしてもそのピッチまで行けない男声の歌が1曲だけある。Breadの Dismal Day だ。悔しいが、絶対無理だ。G4の2オクターブ上、つまりG6のシャウトがあるのだ。Grokは男声でそこまでの音程が出せるか疑わしいと言うけれど、そうなのだからしょうがない。ハルシネーションかましてんじゃねぇぞ!その曲の他の部分は全部歌えるのに、まさに口惜しい。 https://www.youtube.com/watch?v=nXy4Rjugtug * Kが「夕暮れが早くなった」とVlogで言っていたけれど、秋分も過ぎればその通り。私は夜明けが遅くなったことを毎朝痛感している。 昨夜は中秋の名月を望めたはずだが、残念、世田谷ではまったく見られなかった。 これから大好きな晩秋と初冬がやってくる。春頃に、その秋冬の到来が待ち遠しいけれどもそんなに早く来てもらっても、その速さで老化も進むということなのだから痛し痒しというようなことを書いたっけ。そして今、あっという間に中秋が過ぎていく・・・。

無理難題

イメージ
  昨日、夕暮れ迫る野川。 * 思いやりのない人間て、何が楽しくて日々暮らしているのだろうね。それなくて楽しい、それなり豊かな生活なんて、できるはずがないと思うのだ。 おととい、道路の右側を歩いていて、右側の交差する小径から自転車が一時停止せず、またスピードもほとんど落とさずに左折してきて私は咄嗟に身構えた。自転車に乗っていたのは40歳代前半くらいの連休最終日を過ごしているであろうサラリーマン風の男、電動ママチャリ、単独。交差点の左右から人や他の自転車やクルマなどが絶対来ないと見通すことができる超能力者。しかし、間違っていた。なのに危険な目に遭わせた通行人に頭を軽く下げることすらできない。 むろん推測だけれど、その男はきっとしっかりした企業か何かに普段は勤めているのだろう。世田谷区に妻子持ちで暮らせるだけの資力があるのだ。だからおそらくいい大学を出ているのだろう。ところがこうした人間としての当たり前ができないのだ。 昨日もほぼ同じことが起こった。冒頭の写真を撮った後、自宅近くを自転車で法規通り左側通行をしていた。まもなく左側に、向こうにとっては丁字路となる交差点がある。私は優先道路を走っている。私は他の自転車乗りを<ひとつも>信用していないので、一時停止せずに曲がってくる者がいるといつものように推定して対応できるようにしていた。すると案の定、やはりママチャリの、しかも今度は子どもを乗せた長髪の30歳代くらいの男が勢いよくこっちの優先道路に出てきた。 「危ないよ!」 私はさすがに声を上げた。子どもを乗せているのだぞ、なおさらだ!しかしその男は私に一瞥をくれるだけで、速度を上げて行ってしまった。子どもはどんなふうに育っていくのだろう。 他者に配慮ができぬ者たちが多数派だとは信じたくない。しかし、多過ぎる。 Kは交通誘導の仕事をしていて通行人たちに軽んじられること、また悪罵などを浴びせられること頻々、いちいち傷ついたりしていては心がもたないと言っている。たまに温かい言葉をかけてくれる人もいるようだけれど、それで人間の性は善と信じ込めるほどの証拠にはなっていない。 「平生はみんな善人なんです。少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変るんだから恐ろしいのです」とは漱石の『こころ』の一節。きっと上記二人も普段は<普通の>社会人、夫、父親...

今日は暑いね、東京

イメージ
  2週間くらい前の写真かな?夕暮れ近い砧公園の一角だけれど、こんな上天気で誰もこの写真に写っていないのは相当珍しい。静かそうだけれど、50mも南へ行けば東名高速で、騒がしい。それでもこのベンチに座って内省するなんざ、あるいは読書するなんざ、いい感じだ。 * Mooさんが近頃AIについての論考をブログに書いておられる。ハードウェアにもPC黎明期から詳しいMooさんだ。それに氏の人工知能一般への知性的な考察が加われば、説得力抜群だ。 TrumpがAIを「SI」と呼ぶと国連で宣言したそう。「Super Intelligence」か。くっつけて表記するのかどうか知らない。 私は「AI」のままで良かろう、いや、そう呼び続けるべきだと思うがどうだろう。「超知能」と「人工知能」、どっちの方が人間の知性との峻別を明確にしているかと問えば、答えは明瞭だからだ。両者は峻別すべきなのだ、され続けるべきなのだ。「超知能」などと言ってしまえば、事実上の人間知性敗北ないしはそれの凌駕を自ら認めていることになる。 * いやあ、何だか気分が乗らない。「何だか」とか書いたけれど、理由は知っている。気分が乗らず不快なら現状を打破するしかない。シンプルなことだ。その打破がちょいとむずかしい。だから気分が乗らない。けけ。

奥沢、深沢、野沢

イメージ
  かういふ人工の物をメインの被写体にすることが多くはない余ではあるが、それなりの美を見出したからといふのは當然ありつつ、これを基に書きたいことがあるから掲示するのである。 歴史的仮名遣ひは終はりにしよう。(なんでそんな気分になったんだ!) ・・・これは中流以上(!?)の特に女性たちに人気のパン屋、否、bakery、否、boulangerie(ブーランジェリー)の、「Comme'N Tokyo(コム・ン トウキョウ)」である。フランス語には全く疎い私には「Comme'N」の「'」がなぜ要るのか全く分からず「ニャ〜」と写真を撮りながら鳴いていた。これを英語にすれば「Like N」、「Nのように」ということらしいのだが、アポストロフィなど要らない。 Kは私のことをVlogで「N」と言っている。そんなことはどうでもいい。このブーランジェリーの名の「N」は、2019年の国際製パンコンクール「モンディアル・デュ・パン」で日本人初の総合優勝を果たした店主でパン職人の方が師匠と仰ぐ人の姓の頭文字だそうだ。写真にある手書きの店名はその「師匠」自身によるらしい。 だ・か・ら、どうした。 義父の娘は、昨日私が好天の下「Deep Setagaya」と呼ぶ世田谷区内ポタリングに誘うと、「もし九品仏(世田谷区奥沢7丁目)の方へ行くなら、コム・ンに寄りたい!」と言ったのだ。私はその方向へと行くつもりだった。なぜなら、その九品仏に通じる呑川(のみかわ)という小さな河川沿いの道が好きだからだ。呑川は世田谷区桜新町を水源に、目黒区と大田区を通って東京湾に注ぐ。その途中、世田谷区深沢の川沿いの道が特に好ましいのだ。 笑える。私の故郷でもし「奥沢」だの「深沢」だのという地名があったら、ほとんどそこは文字通り秘境だ。ところが世田谷区においてとなると、高級住宅地の名になって、緑多き閑静なところというイメージを与えるのだ! (「奥沢」は裕福な家の「奥様」を連想するし、「深沢」は豪邸に暮らす「深窓の令嬢」に通じるようだ<笑>。) 私は呑川沿いをポタリングしながら、我が故郷「野沢」のことを思い出していた。似たような風景が故郷にもある、ないし、あったからだ。そしてそのことが、私が呑川沿いをポタリングするのを好む理由なのだ。 やがて九品仏(=浄土宗浄真寺)に着くと、義父の娘は嬉々として「コム・...