ウルトラの街で

 


もう梅も終わりそうだね。昨日の砧公園の景だけれど、見納めと思う。

砧というところに住んでいれば、東宝砧撮影所もそうだけれど、その関連会社でその名もズバリ「キヌタ・ラボラトリー」、そしてもちろんそれらも大きく関わった砧7丁目所在(今はもうないが)の円谷プロ、その作品=ウルトラマン・シリーズは<いまだ>生きていることを日々実感する。

円谷プロをつくった円谷英二さんは福島県須賀川市の出身で、私と同郷とかろうじて言えるかな。須賀川も砧も、ウルトラマンのおかげで今もそれなりに潤っているようだ。今や落語協会を支える重鎮となった柳家喬太郎さんは砧(正確には大蔵だが、そこは砧地域である)生まれ、砧育ち、そして砧に在る日大商学部を出た。彼が無類のウルトラマン・ファンなのはよく知られている。

私も小学生の頃、「ウルトラQ」からハマった口だ。ウルトラマン、ウルトラセブンまでは放送日に胸を踊らせた。しかし、熱狂は以降止まってしまった。小学校高学年になっていたことが大きい。段々「子どもの観るもんだ」と思うようになったのだ。マセたガキになっていたのだ。

そのTBSの「ウルトラ・シリーズ」に異色の番組が挟まった。「キャプテンウルトラ」だ。東宝系の円谷プロが「Q」、「ウルトラマン」で種切れとなってしまっていた間隙を縫って東映が割り込んだ。その作品が「キャプテンウルトラ」だった。

私はそんな事情はつゆ知らず、しかし円谷モノとはかなり異なる<風合い>をすぐに感じた。そして好きになれなかった。地球侵略者バンデル星人があまりに<チャチい>風体だったのが大きい。またメカもプラモデルそのままに見えた。

それでも、この「キャプテンウルトラ」のオープニングだけは必ず見た。ひとえに冨田勲氏による主題歌がすばらしかったからだ。

そしてこの東映モノの「ウルトラ・シリーズ」第3作が終わり、円谷プロはおそらく満を持して「ウルトラセブン」をスタートさせる。オープニングは冬木透さんの名曲だ。勇壮で荘重、ホルンの音色に魅せられた。

その冬木さんと『機甲界ガリアン』で音楽を共に担当できた喜び!

・・・「セブン」は、やはりすでに幼稚な話だと思うところはあったけれど、「アンヌ隊員」の色気に毎回視聴を誘発されたか(笑い)。


今NHKBSでこの「ウルトラセブン」が見られる。タイミングが合うと少しだけ見たりするのだけれど、「いやはや、荒唐無稽、酷すぎる話だ」と笑ってまもなくスイッチを切る。

異星人が地球を襲うというのは何もウルトラ・シリーズだけのプロットではない。1938年オーソン・ウェルズ(H.G.ウェルズ)『宇宙戦争』からのものか。しかしその大元から荒唐無稽の度が過ぎている。イカやタコのような触手の「宇宙人」がそんな手で宇宙船を造れるというのか。いや、その手前で、科学技術をどう発展させてきたというのか。バルタン星人はあの大鋏のような手で、どうやって精密部品を作り出したのか。そして恒星間旅行という人類にはあと何世紀かかるか知れない超高度な科学技術の成果をどうやって出したというのか。

何より、そこまでの科学技術を持てるまで進化した文明を持つ「宇宙人」が、なぜ地球になど攻めてくる必要があるというのか。大昔に自分たちの惑星において核戦争の危機を乗り越えたに違いないー 相対論も量子論も、その統合も、極めるところまで突き詰め、とうとう光速をも超えるスピードで(そのはず)恒星間旅行をする「宇宙人」がー なぜ野蛮な地球侵略などをするかね。


MNEMOちゃん、何をそんな子ども向けのTV番組に文句をつけているの?

いや、私は小学生としても宇宙人地球侵略モノを「変な話だな」と思っていたには違いないのだけれど、「あんな手では釘一本も作れないじゃないか」ということには気づけなかった自分が情けないのですよ。

砧の街を歩きつつ、その情けなさをふと噛みしめることがたまにあるんです。

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