ぽんぽん


 

先ほど、日の出の成城学園前駅南口周辺。

歩いているともう暑い。いよいよ歩きの代わりに自転車だなあ。

*

YouTubeで方言モノが「おすすめ」で紹介され、見てみると、秋田弁に「きゃどぽんぽんじぃ」という面妖な言い回しがあるというのだ。それは「道の雪が融けて乾いたぞ」というような意味だとのこと。「キャド」が「街道」のことだと言うが、大きな道ではないそう。そして「ぽんぽん」だ。これはなんと私の田舎でも言う「雪解けして乾いた土が見えている状態」のこと。秋田も會津も春到来を喜ぶ気持ちを込めて「ぽんぽん」と言うのだ。

秋田と會津、同じ東北じゃないかと言う勿れ。それはそうだが、秋田なんて會津から見れば山形を挟んだはるか北の国だ。

我が父はその著書『会津さおわえなはんしょ』でこう書いている。

「道路の除雪などのない時代の野沢(=我が故郷)の大通りは雪の山で、両隣の店とも雪の壁で分断された。それが春先になると、まず自分の店の前の雪が消えて地面が現れ、次いで両隣と直通するようになり、そして、そのうちに『ほてい屋まで行けるようになった』『役場の前まで行けるようになった』と、用もないのに土の上を歩けるのが嬉しくて、雪解けのビッチャッコの(=水溜りのある、ぬかるむ)地面を行ったり来たりしたのである。

まして『テッちゃ(=父の幼なじみ)家の前がポンポンになった』と聞けば心が躍った。今度はそこで遊べるのである。その地面は早春の陽光を燦々と受けて湯気が立ち昇り、雪に閉じ込められていた四ヶ月からの解放を告げていたのであった。雪国の子でないと分からぬ嬉しさ。」(p194)

ちょいともう季節外れもいいところの話であるが、方言のおもしろさ、である。そしてなぜ會津であれ秋田であれ、先人がその雪解けの地表の様子を「ぽんぽん」と言うようになったのだろうか、興味を惹かれる。

もちろん私の勝手な推測だが、そのぽんぽんになった地面を歩いた者として、それは靴音である、と言いたい。特に子どもが踏むゴム長靴の音だ。

ゴム長靴は早くも明治10年代には輸入物として入り、明治40年代にはいよいよ国産が始まったと言う。私の説が正しければ、この方言は比較的新しいものということになる。會津と秋田で同時的に偶然生まれた方言か・・・。

おっと、Grokによると山形弁、特に置賜地方のでもこの「ぽんぽん」が使われているとのことだ。

だれが最初にそんな<あったかい>表現を口にしたの?

コメント