To Believe Is To Know


柳田國男が昭和2年成城に住みはじめ、その32年後大江健三郎さんが同じ成城に居を構えたのは偶然ではない。大江さんが民俗学の創始者とも言える柳田の愛読者だったのは有名な話で、あのトレードマーク的丸眼鏡も柳田の影響だという。

私が少ない読書量で柳田の学問世界を総括するようなことを書けるはずもないけれど、もし敢えてそうするなら小林秀雄のそれを援用するに如くはない。

https://www.youtube.com/watch?v=jZX_Jt2tRqs

これのチャプター1で語られた柳田のエピソードと小林の解釈こそ、だ。この講演は柳田の『考えるヒント3』(文春文庫)に収められていて、私はだいぶ昔にそれを読み、深く感動したものだ。

池田晶子さんは小林の評論に魅せられた一人で、『新 考えるヒント』という本を出すほどだ。

柳田、大江、小林、池田・・・この4人は結局、唯物論で人、生命、世界、宇宙など語れないという立場であることが共通点だと言ってよかろう。

*

私が17歳の終わり頃に幽霊ないし亡霊を見たことは決定的だったし、29歳、多摩川で子猫チロのオリオンへの昇天時、彼女に背中を触れてもらったこともさらに驚異的であった。それらの経験の意味するところへの洞察が今老齢となってますます深く、そしてさらにさらに決定的になっているー

何を決するのか?

今生の終焉への覚悟だ。

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