日活の古い映画を見つつ
YouTubeでは今日活が昭和30年代の全盛期に撮った映画を無料で公開している。
日活は調布撮影所。私が狛江在住時には、程近いところに在り、何度その前を通ったか知れない。ロケでない限り、あの多摩川のほとりで多くのシーンが撮られたのだ。
吉永小百合さんの『ガラスの中の少女』などは、地下鉄の四谷駅がロケ先で、私が大学時代通ったあの辺りの風景が少しは重なったが、もうその時点で映画に映る四谷はもはや古めかしかった。重なったのは地下鉄の駅舎と聖イグナチオ教会だけ。どんなに東京が、日本が、急速に変化したかがよく分かる。
吉永さんのお相手は浜田光夫さんが多く、私はチビの頃からこの浜田さんが小百合さんにはふさわしくないと思っていて不満だった。「こんな美しいお姉ちゃんが、こんなどこでもいそうな兄ちゃんに恋するなんておかしい!」と思っていた。ねたましかった。
美少女の<定義>はさほど今も変わっていまい。しかし当時男のハンサムさについてはちょっと違っていたか?というか、ハンサムの幅が広かったのか。失礼ながら石原裕次郎さんだって決して美形だとは思えなかった。高橋英樹さんなら文句なかった。(笑)
吉永小百合さんに当時の男たちが熱狂したのはよく分かる。しかし、私はここでも臍曲がりで、吉永さんより、当時彼女と共に超美人女優と並び称された栗原小巻さんの方が好きだった。それを言ったら、酒井和歌子さんも大好きだったし、藤村志保さんも。マセたチビだった。
今日は『事件記者』の冒頭部分だけ見た。これはNHKの連続ドラマだったものを日活が映画化したものだ。父が楽しみにしていた番組であって、夕食後の団欒で家族全員で見たものだ。俳優さんたちはみな懐かしい顔ばかり。
いかに自分が歳であるかも再確認させられる。
あの頃の「自分」を「自分」であると今思っているその<主体>は何なのか、などと池田晶子さんのように思いながら。

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