ゴーシュ


 

ご近所で撮った今朝未明の月。満月は今夜だというが、今朝のも真円に近かったぞぃ。

*

昨夜そう近くはないが、近くの7-11よりは混まないLAWSONへと買い物に行ったら、応対したアルバイト(だろう)従業員の名前が「ゴーシュ」で私は目を見張った。

「いい名前だね!」

と言うと、彼はうれしそうに、

「ああ、ゴーシュです」

と言ってくれたのだが、どうして私がいい名前だと言ったのかの理由を話すいとまはなかったのだ。一人会計を待つ人がいた。

別の機会で言えるかな。


「あのね、宮沢賢治っていう日本では一番有名と言っていい童話作家がいてね、その人の作品のひとつに『セロ弾きゴーシュ』っていうのがあるんだ。」

「ああ、そうなんですか。フランス人に私の名を言うと、gaucheと聞こえて、不器用なって意味ですから、笑われます。」

「とんでもないね。あなたの日本語、とても上手だ。」

「ありがとうございます。宮沢賢治、ですか。今度読んでみます。」

「『ゴーシュ』はチェロの弦を弓で鳴らす時の摩擦音のオノマトペだとも言われているんだよ。」

「ほう、そうなのですか。」

「岩手の花巻へ行ってみるといいよ。宮沢の故郷で、記念館もある。そこに彼が弾いたセロ、つまりチェロが展示してあるよ。」

「花巻・・・って大谷翔平さんにちなむところですね?」

「詳しいね!そう、花巻東高校で彼はー」

「ご老体、いつまで喋ってんだよ。」

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