二人の偉大な俳優にして真の愛国者
砧6丁目の木立。ここから成城方面へ歩いて行った。そして昨日の記事に掲げた仙川の水面に映る初冬の木々と空の写真を撮った。もう一枚、こんなのも。
『椿三十郎』の撮影の合間、三船さんと仲代さんが一服つけている写真。二人の年齢差は12、ちょうど一回り違う。干支が同じということだ。申年らしい。仲代さん、まるで三船さんと劣らぬ貫禄で、畏れ入る。
この写真はロケ地か東宝撮影所で撮られたかと思ったら、なんと撮影所は東映だったという。1960年から2年間、東宝では争議があって、砧(東宝撮影所の別称)は使えなかったんだとさ。前作『用心棒』もスタジオを使用した映像は東映東京撮影所で撮られたというから驚き。それは今も練馬の大泉学園に在る。
三船さんも仲代さんも戦争を知っている・・・知っているどころか渦中に巻き込まれた。三船さんは太平洋戦争開戦時21歳、前年20歳で徴兵されており、中国戦線で4年、空中写真撮影部隊に所属し、偵察機の写真判定や撮影補助をしていたという。人を直接殺すことは一度もなかった。仲代さんは開戦時9歳だが、敗戦の1945年には13歳、先日書いた表参道での惨劇を経験している。
この「世界のミフネ」、「世界のナカダイ」のお二人は反戦の意志を貫かれた。
戦争の悲惨さと愚かさを知っている昭和の名優たちが、もうほとんどいない。一方で、「自虐史観」ということばに踊らされ、深く考えもせず、日本の戦争責任を問われると反射的に歪な<愛国者中枢>が発動する戦争を知らない者たちが全国隅々にいる今だ。
本当の愛国とは、戦争などしないこと、国土と国民が傷つかないで済む日々を送ることだ!



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