DEIとICE


 

TwitterでもYouTubeでもいやはや大谷、大谷だ。当然だけれどね。過去にも今にも2-way playersがほとんどいないのだから、やることなすこと史上初だらけ。偉業が次々成されてなんだか驚嘆中枢(そんなもんあるか!)が麻痺してしまっている人多数では?オイラもそうだ。それでも3年前だったか実況のアナウンサーが「Shohei Ohtani, what can't he do?」と叫んだのを忘れない。「彼にできないことって何なんだ」と。

大谷さんの野球以外での凄さは、Dodgersで「DEI(Diversity, Equity, Inclusion:多様性・公平性・包摂)」を尊重する精神を体現していることだ。むろんTrumpが否定に躍起になっている価値観のことだ。彼ならきっと「MLBを<移民>に席捲されていいのか」などと思っているに違いない。

出場機会に恵まれない「韓国の英雄」キム・ヘソンを<ただ>後輩としてかわいがっている姿をTVでよく見る。当然キムくんにはフラストレイションが溜まっているはずで、腐るときも多々あろう。大谷さんや山本由伸投手が彼を孤立させていない場面を見ると、本当に偉大なプレイヤーというのは<ただ>open-mindedなのだなあと痛感する。国籍も何もないんだ。<ただ>野球に対して真摯で技術があり、「For the team」を貫ける者ならteammateとして敬う、それだけなんだ。

キムくんのチーム内ライバルとしては、レギュラーのエドマン内野手がいる。なんとエドマン君のお母さんは韓国人なのだ。互いに意識するところ大だろう。エドマン君の方は3年前WBCに韓国代表として出場し、チーム内で孤立し、もう2度と出ないと言っているそうだ。翻って同じWBCで日本代表として出場したカーディナルズのラーズ・ヌートバー外野手(祖父が広島人、母が日系米人)は「たっちゃん」と愛称を贈呈されるなど日本チームで大変な歓待を受け、「また出たい」と言っているのだ。日本チームのこのDEI精神はどうだ。すばらしいではないか。

DodgersにNLCSでスウィープされてしまったBrewers。その第2戦でMilwaukee在住の女性ファンが、近くで酔ってDodgersを応援する「Latino」米人、しかも退役軍人に対し、あまり腹が立って「Call ICE」と言ってしまい、それをビデオに撮られ拡散、なんと職を失ったそうだ。「ICE」とは「アメリカ合衆国移民・関税執行局 (U.S. Immigration and Customs Enforcement)」のことで、不法移民と看做した者を今次々<狩っている>のだ。

「DEI」と「ICE」、構成する3つの文字中2つまで同じなのにね・・・。

Let's go, Dodgers!

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