雨が止むのを待ちつつ
雨が止むのを待っている。気象レーダーでは午前5時に雨雲は世田谷区を抜ける。
秋の空気がすでに入っている。湿度100パーセントでも涼しい・・・もちろんちょっと不快だが。
「暑さ寒さも彼岸まで」がいかに正鵠を射ていることか。これが通じなくなったら、多分気候変動は最悪のかたちで終了してしまっているということになろう。
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以下は勝手な憶測、さらに将棋ファンの方の一部から反発を受けるかもしれない邪推だ。
渡辺九段が1年の休養を宣言した。直接には健康のため楽しんでもいたフットサルでの脚のケガが原因だ。手術しても経過が良くないとのこと。椅子対局にしてもどうしても気が散ってしまうのだろう。本当に気の毒なことだ。
彼が名人を含む数冠を保持していたときにフットサルを親交ある棋士仲間と楽しんでいるのを動画で見たことがある。当時は棋界の頂点にいたわけで、最強棋士として主に後輩らを従え対局日の合間の時間を楽しんでいたのだ。
そしてまもなく藤井聡太さんが擡頭、あれよあれよという裡に彼は3つだか4つだかのタイトルを取られてしまった。段位で呼ばれたことがほとんどないタイトル常連の彼がなんと渡辺九段と呼ばれることになった。九段は最高段位だが、今彼を入れて12人もいる。実際に藤井七冠に太刀打ちできる九段は永瀬拓矢さんくらいだろうか。言い方は悪いが、後は旬を過ぎた棋士ばかりと言っていい。
屈辱は計り知れない。さらに、彼は藤井さんとのタイトル戦での対局が実現してもまず勝ちようがないことを冷静に見切ってしまっている。つまり、もうこれからずっと九段のまま、そして例えば竜王戦で9連覇して数億稼いだ年月、金満の生活は戻ってこないのだ。19歳からずっと多額の賞金を稼いできた棋士として深い絶望があったはずだ。
そういう意気消沈の日々をなんとお連れ合いが漫画にして人気を博すということもあった。なんとまあ捌けた夫婦関係、ある意味理想的な夫婦像だと思っていたが、なんと家庭内離婚をしてしまった。どういうことか、謎である。
ケガを乗り越え、永瀬九段と共にまだまだ藤井七冠を苦しめる棋力を保持ないし増進させたいところだが、番勝負のタイトル戦で藤井さんに勝ち越すのは無理だと完全に見切っているのだ。そしてそれはきっと正しい。
彼はもう将棋に生き甲斐を見出せなくなっている、ということだと思う。ケガは肉体のことだけれども、ここ5年ほどの彼は心にもケガを負ってしまい、それが長引いているということだと。
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昨日の王座戦、挑戦者伊藤匠王座が一勝を返した。うれしい。負けを悟ったときの藤井王座の激しい落胆ぶりが印象的だった。すばらしい一局だった。こうでなくっちゃ。
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