私なら花と木があれば一応天国(笑)

今朝は桜上水の方へcyclingした。世田谷区には「桜」の字がある地名がいくつかあって、桜上水、桜新町、桜丘、そしてズバリ桜。桜上水は位置的に烏山地域かと思ったら、北沢地区に入るそうだ。隣接する上北沢が烏山地域なのにね。(なお、下北沢はもちろん北沢地域の中心街区。ただし下北沢という正式な地名はない。あの駅辺りは世田谷区北沢だ。)

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養老先生がETVに出演されていた。「ハートネットTV」の「私のリカバリー がん患者になって考えたこと」というタイトルの番組だった。何年か前に心筋梗塞で入院治療、そして今回は肺がん。御歳87ゆえ、「体ん中にがんの2つ3つあって当然」とあっけらかんと仰る。しかしその声には力がない。標準治療を受けつつ「リカバリー」あるいは寛解と言える段階なのかよく分からないけど、ケモセラピであのフサフサしていた白髪も相当抜け落ちていて、そんな中でもTVに呼ばれたことをありがたく思い出演した、と仰る。そして医者嫌い、病院嫌いの医者としての26年間の思いの変化を率直に語っておられた。病院というシステムの中で患者として流されてしまうのが嫌だったのだ。ところが今そのシステムが「相当良くなった」がゆえ、医者や病院への嫌悪や不信が払拭できているのだと。

まさに達観というような言葉がいくつもあった。

中でも印象的だったのは、東大の教授時代、社会的活動をせざるを得ずに虫採りができなくなったことがよろしくなかった、という言。虫を無心に採っている、眺めている、語りかけている時間こそ養老先生の<生きていること>だったらしいのだ。「残りはすべて付録です」と。

虫採り仲間の生物学者池田清彦さんとの会話での一言。

「天国行ってさ、色とりどりに花が咲いているけど虫が一匹もいないとなったら地獄だな。」



(写真は去年、今とほぼ同時期に撮った、喜多見ふれあい広場から仰いだ空。)

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