今日「転石会」 〜Kのことの続き

殺人的な猛暑。私がエアコンなしで眠れなくなってとうに1ヶ月以上経っているはず。暑さ寒さについては人によって感度が違うとは云え、客観的な気温はだれにとっても寝苦しい夜であることを示している。電気代を気にしてエアコンをつけぬまま熱中症で亡くなってしまう事例が後をたたない現今のことだ。自分は恵まれていることを意識する。

しかし、早朝のポタリングでたとえ風を切って走っていても、汗をおびただしくかいて、泣きそうになって帰ってくるというパターンは今のところない。今年7月の早朝未明は、東京世田谷区に限ってのことかもしれないが、去年まで数年の猛烈な熱帯夜の連続には至っていないのかもしれない。いや、感じる方、つまり寒暑を知覚する私が、加齢によりそれを鈍らせてしまっているのかもしれない。

*

昨日誕生日を迎えたKくん=栗田栄光さんとのことの続きだけれど、高校を出てからの人生の軌跡については互いにそう詳らかに、あるいは赤裸々に語るのは憚られる。いや、勝手に「互いに」と書いたが、Kくんは「別にいいよ」と言うかもしれない。しかしまあ、たとえそうでも、互いの高校卒業後の人生を語ったところで「それがどうした」ではあるのだ。

「エイミ(関根安里くんによる栗田くんの呼び方)」は持ち前のレタリング技術を活かして入ったデザイン会社勤務を経て30歳代早々(?)独立した。彼は今でも自分は「デザイナー」だと思っているし、その技術を活かせるときはそうしている。「ケーちゃん(岡野治雄くんによる栗田氏への呼称)」はその後注文を受けすぎてパンクし、会社を潰してしまう。安請け合いをしたということになるが、それは偏に彼の八方美人的性格によると私は踏んでいる。

しかしだ、八方美人的性格とは通常究極的には八方各々に不誠実でありうることも示唆するものだろう。けれど「ケーさん(下山真吾氏による呼称)」は<そうならぬことを信じている全方位外交官>なのだ。そう、だれにでも分け隔てなく付き合おうとする人なのだ。

たまに彼は警備の仕事でプロ意識が足らぬ同僚や、「人の下に人を<造る>」傲慢な通行者などにかなりの程度憤ることがあるけれど、そういう人たちであっても、その前段で1対1の出会いをしていたなら、きっといつものように人懐こく接し、仲良くやっていきましょうという態度を示すに決まっているのだ。

そして親しくし始めてからその人から何かを頼まれれば決して「No」と言わない。言わないし、言えないのだ。<まずはとにかく>力になりたいと思ってしまうから。その心根を私はもう批判できないと思うようになったのは、実は、最近だ。「口先ばっか」とか、「そんなにみんなにいい顔して、それでいて自分でキャパを超える約束して不誠実だろ」などと彼に怒気を込めて言っていたのはつい最近までのことだった。


まあ、そんなこんなでKも私も歳をとった、本当にとった。私が彼の心根がやっと分かった今、なんとそんなに彼との付き合いの時間は残されていない。

それでもね、互いに高3のときに一緒に見た故郷大山祇神社前のお籠り旅館での幽霊の出現、その<事実>の重さは、ますますこの歳になって増してきた。彼もきっと同じ想いだろう。

その想いを募らせてどうした・・・

それについては、読んでくださっているあなたさまのご想像にお任せします。

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