環8上空の生態系&打ち歩詰め
今回の早朝ポタリングの最遠点は、世田谷区代田3丁目。ここには思い出があって、あの2011年3月11日、新宿駅から狛江市東和泉の自宅コンドへ歩くハメになって通ったところなのだ。あの時の不安感、そしてもちろん疲労感、忘れられない。ここはちょっとした高台になっていて、お金持ちが暮らしている街と言ってよい。そして梅ヶ丘へ。
国士舘大学近くのLAWSONでコーヒーを買って店先で飲んでいたら、日の出前の太陽が低い雲をピンク色に染めているのに気づき、撮影。まあ、きれい!😍
気温は高くなく、助かった。湿気はこの雲を見ても分かるけれど、80パーセントはゆうに超えていただろう。
上用賀に在る、砧公園へ入る環8上の架橋で撮った神々しい(?)日の出。そこでも余っているコーヒーを飲んだのだけれど、アキアカネ系のトンボがたくさん地上十数メートルくらいのところを飛んでいて、一部青空になっている西の空をさらに高く見上げると、ツバメたちが飛んでいるのだった。捕食域が2層になっているということか。アキアカネは慎重に飛ばないと、ツバメに捕まってしまう。だから樹冠スレスレを飛行するものが多かった。すぐに隠れることができるからだろう。
あの環8の真上で、こんな生態系の営みがあるのだなとしみじみした。
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昨日の藤井王位の強さ加減はもう人間の域を超えていた。いや、彼はそんな神技的指し手を今までも何度も見せつけてきたけれど、昨日のは屈指の指し回しだった。(「指」がやたら多いな。)必至をかけて(つまり相手の王様は自分の王様を詰まさぬ限り絶対に詰む状態)、永瀬九段に好きに王手をかけさせ続け、最後は「打ち歩詰め(=持ち駒の歩で相手の王様を詰ますこと、反則であり、指したら即負け)」に逃れて終了、ということだった。
途中でも相手の歩の頭に桂馬を打つわ、やはり相手の歩にとっていいよと銀を上がるわ、角を歩と交換するわで、とんでもない駒損(と言えるだろう)を3度もして評価値が動かないのだ。もう将棋の神様しか知りようのない絶妙手を連発。そして優位を築いていく。ただただ畏るべし。
永瀬さんはレーティング2位、しかも3位以下に大きく差をつけている「将棋界最強の2番手」なのだ。そんな天才中の天才をまたもや完膚なきまで打ち負かす。永瀬さんは多分一生、今もマックスに達している努力をこれからもどんなに重ねても、藤井さんを番勝負(タイトル戦)で負かすことができないだろうという確信めいたものを感じた。序中盤研究を誰よりも深く重ねても、藤井さんには先行逃げ切りをさせてもらえないのだ。そういう展開になっても終盤でほぼ必ずひっくり返されてしまう。これはもうしょうがないね、永瀬さん。
レーティング3位を争っている世田谷区民の星(?)伊藤匠(たくみ、愛称たっくん)叡王。なんと言っても今の将棋界で藤井八冠(当時)を初めてタイトル戦で敗北させた棋士なのだ。近々彼は王座戦で再び同年齢の神レベルに達しているライバルに挑戦する。誰もがもちろん藤井王座の防衛を予想しているはずだ。また番狂せ、できるかな、たっくん。あなたが住んでいるらしい弦巻(世田谷区内)も通ってきたよ、今朝。だから何だ。
なお、なぜ「打ち歩詰め」が禁じ手になったかの理由に関する説はいくつもあるようだ。私は先手の有利を少しでも減らすという羽生永世七冠の説もヘボながら首肯するものだが、そのヘボが若く、よりヘボだった頃に、自分で考え納得した理由が今でも有力だ(笑)。それは、王様の首をポッと出の歩(つまり突然現れる下郎=持ち駒から放たれる最低身分の歩兵)が討ち取るのは武士道に悖るからだ、というもの。そして後で気づいたことだけれど、「打ち歩」の歩は元々討ち取られる王様側の歩兵だったわけだし、ますます汚い裏切りだからだ。
MNEMOさんて、ほんと将棋が好きね!
ええ。


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