新選組考 3
で、だ。なんで新選組のことなんかを書き出したかなんだけれど、私のYouTubeの「おすすめ」にはもちろん私の嗜好に沿ったビデオが並んでいるわけで、音楽ものはもちろん、時代劇にまつわるものも常時勧められるのだ。大好きな栗塚旭さん、島田順司さんが関わった新選組モノ、用心棒モノなどだ。
新選組に注目した最初の作家と言っていいのか、『新選組始末記』などの作品がある子母澤寛だけれど、この人は北海道出身で、祖父が幕臣だったとかいうから、「え?じゃあ、箱館戦争の生き残り?」とか思ったら、その通りだったんだわ。その函館での戦いの前に子母澤の祖父は上野戦争(彰義隊として)で永倉新八や原田左之助と共に新政府軍と戦った。その時永倉と原田は新選組を離れて靖共隊を結成したばかり、永倉は生き延びたけれど、原田は討ち死にしたとされているんだね。
子母澤が佐幕派のことを書きたくなるのは自然で、創作とはいえ懸命に取材をした。それ以前、薩長などによる藩閥政治が衰えはあったとは云えずっと続いたと言ってもいい終戦までの日本で、足利尊氏と會津藩、奥羽越列藩同盟で最後まで戦った諸藩、そして新選組は、天皇に背いたとして逆賊の扱い、決して肯定的になど描かれることはなかった。ゆえ子母澤は、祖父ら江戸幕府側で戦った者たちの名誉回復のため筆を進め、ヒットを飛ばしたわけだ。そして時代小説の雄、司馬遼太郎が『燃えよ剣』、『新選組血風録』を1960年代に執筆し、大ヒットする。
私は寡聞にして知らなかったが、最近野田サトルによる『ゴールデンカムイ』というヒットしている漫画があるらしく、永倉が主人公だという*。そこでも新選組の同士で、靖共隊を一緒に結成した原田左之助がフィーチャーされているという。
原田左之助。この人のことを書きたくなったのだよ。
(この稿つづく・・・全然読まれてないけど。)
*追記 娘が『ゴールデンカムイ』の主人公は永倉ではないと教えてくれました。今度読んでみなきゃなあ。
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