Peace on Earth (Give Me Love)

備忘録として書いておこう。

おとといの未明、私は人生で初めて泣きながら目が覚めた。




夢の中、George Harrisonの「Give Me Love」を歌う自分がいて、「Give me love  Give me love  Give me peace on Earth」とまで歌って、泣けてきてしかたがなくなって、夢が終わった。


AIはこう言う。

The lyrics express a desire for peace, love, and ultimately, freedom from the cycle of reincarnation (birth, death, rebirth). 

Georgeのインド(Hindu)思想への傾倒はよく知られているけれど、輪廻から逃れること、苦からの完全な解放、解脱をこそ希求する歌をpop songにした最初の西欧人だろう。

「Give me light, give me life, keep me free from birth」

これはすごい歌詞だ。「keep」が決定的だ。「set me free from birth」ではないのだ。「輪廻転生でのまたもやの生誕から解放してくれ」ではなく、「もう生まれることがないままにしてほしい」と言っているのだ。もう転生はしなくて良い自分になっている、と?

彼は1966年(当時23歳)まで、2年前にPattie Boydと知り合い恋仲になってこの年結婚する。ビートルズは前年「Rubber Soul」を出し、その中、Georgeは「If I Needed Someone」を作り、歌っている。(下はMNEMOカバー。)



驚く勿れ、この「Someone」はPattieではない。仮定法過去で「もし誰かが必要になったなら」とその可能性を文法上否定し、それは今「I'm too much in love (with Pattie)」だからと言っているのだが、それでも「If I had some more time to spend  Then I guess I'd be with you, my friend」などと<ヌカしている>。Pattieとの恋に夢中で他の子に割く時間はないけれど、もしあったなら付き合うかも、などと。

そんな彼は、まもなくインド(思想)に出会い、ビートルズ1966年発表の「Revolver」では「Love You To」といういずれもインドの楽器シタールとタブラを大胆に使った曲を発表している。その歌詞は、宗教臭くはあるものの、Pattieとの<愛の生活>を赤裸々に想像させるものであって、理趣経およびカジュラホ寺院の石像に励まされての(笑)歌のようなのだ。

そして4年後1970年ビートルズ解散、独立し、3年後に彼はこの「Give Me Love」を歌うのだ。「Help me cope with this heavy load(この重荷に対処する私を助けて)」とも歌っているから、今生の自分がもう解脱しているとは言っていないのだろうけれど、ではなぜ「keep me free from birth」だったのか。まもなく「Lord」に「touch and reach」する自信があったからか。

さて、私にとって涙を流す夢を見たことは唐突なことだった。直近にGeorgeの当該の歌を聴いていたわけでもない。「peace on Earth」と歌ったところで涙が溢れたのだから、ガザのこと、ウクライナのことなどで、あまりに軽く扱われる人の命に絶望する心からだったのだろうか。

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