野川・多摩川と信州と
昨夜仕事が終わって漫然とBSとCSのチャンネル・サーフをしていたら、去年だったかに見た、野川を、主流多摩川に合流する二子玉川から上流へ遡り、国分寺市のその水源へと辿り着く20.5kmの行程を散策するNHKBSの番組が再放送されていた。昨日私がその写真を掲げた谷戸橋からひとつ下流側に架かる神明橋で「散歩人」の乙葉さんがカワセミの写真を撮るご老人たちと<遭遇する>シーンだった。
私の「仕事」とは、偶然なことにその乙葉さんが卒業した高校の後輩たちに英語をお教えすることであり、彼女は長野県北安曇郡池田町(Mooさんご夫婦在住)で育ったのだ。出生地は西東京市だそうで、お父上が長野出身で、子育てのため東京から安曇野へ移ったのだという。
この番組の内容については記憶がまだ鮮明なので、数分後「野川周辺には20数種類の鳥が確認されている」とのナレーションを聞いたところでTVをオフった。
安曇野の池田町と言えば、生坂村が東隣、ここに暮らしていた43歳男性が東大前駅刺傷事件をこの7日に引き起こした。教育熱心すぎる親に虐げられての自暴自棄の犯行だと自供しているらしい。元々名古屋の資産家の息子といい、生坂村へ越す前は東京・中野区で暮らしていたという。生坂村へきっと心癒されに引っ越したのだろうに、トラウマは消えず、凶行へ走ってしまったようだ。
山だらけの自然豊かな環境の長野県へ新しい生活を始めるため移住する人は毎年一定数いる。2023年で3,363人だったそうで、移住相談件数は22年度18,184件で8年連続日本一だそうだ。生活が成り立つなら田舎暮らしは今の時代賢い選択だ。なにしろ主食すら安定供給できない国に我々は暮らしている。食糧自給率は23年度カロリー・ベースで38パーセントという体たらく、田舎なら努力すれば100パーセント自給自足も夢ではなかろう。親が晴耕雨読的生活をしていれば、子どもらもゆったりと育っていく。立身出世が目標でないなら、そういう暮らしこそ理想とも言えそうだ。
話はまた戻って野川のこと、そして多摩川のこと。東京にも<部分的信州>があるのだ。それがこの2つの河川だ。多摩川が本流、野川が支流。多摩川の広い河川敷に立てば、北西に秩父の、西に奥多摩の山々、南西に富士、丹沢の峰々が望める。むろん信州ほど緑豊かではないけれど、都心や城北・城東地区など比べ物にならぬほど自然が残る、残されている。
旧ブログで書いたけれど、北奥仙丈ヶ岳が多摩川から望める。標高2,409メートル、東京23区内の平地から普段見える山としては富士山に次ぐ標高だ。(なお、冬などに空気が澄み切ると南アルプスの3,026メートルの農鳥岳などが二子玉川付近からだけ見える。)この北奥仙丈ヶ岳のすぐ向こうが長野県である。有名な(?)甲武信岳(こぶしがたけ。標高2,475メートルで甲州、武州、信州3国の際に立つ)も近い。
故郷長野びいきの乙葉さん、野川が多摩川に合流する地点辺りから西を望めば、信州が見えていると言っていい、だって信州東南の山々が遥か遠くに見えていたんですから。多摩川や野川の近くに住んでいれば、信州の癒し力には劣るかもしれないけれど、それに近いhealing powerで東京暮らしもそう苦痛ではないのですよ。お連れ合いや子どもさんと越されてきてはいかがですか。
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