またもわけわからんホザき 〜「こころ」と「もの」
ナショナル・ジオグラフィックの「メーデー!」シリーズの大ファンであることは昔書いた。圧倒的に多い事故原因はヒューマン・エラー である。航空史開闢以来、多くの事故を経験し、それを教訓に今や乗り物としての安全度はほとんど100パーセントに近かろう。けれど、英語のことわざ「Accidents will happen.(事故は起こるもの)」は未来永劫その通りだろう。そしてその事故の多くは人間という生き物の不完全さから由来するのだと思う。
先日放送された(もう何度も再放送されているのだが)、1972年フロリダ州エバーグレーズで起きたイースタン航空401便の墜落事故(犠牲者101人)の回を見ていて、その最後に、事故機の損傷のなかった部品を使い回した他のトライスター機内に亡くなった401便の乗務員、特に航空機関士(Second Officer)の幽霊が出るという噂が広がったというエピソードが紹介されたのだった。
笑止、である。普通はそうだ。イースタン航空もその噂を荒唐無稽として、それでもこれ以上流布する者は解雇すると警告したという。Grokで航空機事故にまつわる幽霊話の例を検索したら、日航123便のものがまず挙げられた。墜落現場や遺体収容施設などで不思議な現象を目撃あるいは体験したという話は枚挙にいとまがないようだ。520名もの貴い命が奪われた凄惨な事故だったのだから、その多くの犠牲者たちの無念さがとどまり、あるいは漂っていると想像してしまうのが人間というものだ。例えば現場への山道を夜はおろか昼にだって独りあるいは少人数ででも登ることに躊躇しない人はいまい。肝試しのような悪戯半分でのことなら、死者への冒瀆と思う人は多かろう。その「冒瀆」とはつまり、亡くなった方々の魂の存在を前提にするからこそのことであるのは疑いない。
幽霊話などばかばかしいと思う人ももちろんいる。高校生時代、私やKが霊を目撃する体験をしたわけだけれど、例えば私がその話をした昔の同僚U氏(ヘーゲル研究者で、唯物論者であることを自称していた)は、「へぇ、そうかい」と言いつつ、「そういう不思議な体験というのはあると思うよ。でもさ、それは錯覚とかね、脳の問題として扱えると思うんだな」と言われた。私やK、担任のH先生含め他3人が見た現象は集団催眠状態だったのだろうとのことだった(ちなみにH先生も唯物論者だったのだが)。
ここ2日ほど唯物論を批判するような書き方をしているけれど、本意ではない。と言うか、唯物論でいいのではないかとすら思う。いや、もっと言えば、唯心論と唯物論は通底しているのではないかとすら思い始めている。つまり、心と物とは本質的に変わらない、ということなのだ。
何を土曜の朝からホザいているのか。
・・・物の究極はなんだろうか。素粒子?その素粒子とは?「標準模型」では最新のヒッグスボソンの発見で全てのピースは確認済みだ。しかし、その模型で森羅万象すべて説明できるわけではない。ダークマターに関連する粒子、超対称性(SUSY)粒子、重いニュートリノやステライルニュートリノ、グラビトン(重力子)などの存在が<想>定されつつ、在るのかどうかも含めて未解明、未発見だ。
上で述べた未解明、未発見粒子などは、物の究極を探っている科学者(素粒子物理学者)の心象風景そのものではないか。この世の成り立ちの<辻褄合わせ>、まるで小説家が複雑に伏線を張った物語を大団円へと導かせようとする行為のようだ。
すべて物、物理や化学で説明できる−− それって印象ですよね?(笑)
この現象は、こうこう、こうでこうなるんだ、と。では再現できるんですね?私やKなどが見たあの現象も?え?その時の諸条件を再現するのはむずかしい?不可能だ?でも集団が幻影を見るという現象は、脳内でこうこうこういう物理・化学現象が起こり仮眠状態が珍しくもその集団構成員の全てに同時的に起こって、いわゆる夢うつつで、これも大変珍しいことながら、同じような夢を見たということ?そんなことありうる?
え?だって幽霊なんていないもん?同時的な夢見じゃ不満かって?そうね。え、じゃあ、大気中の水蒸気が凝集してたまたま<ひとがた>になった、そう見えたんじゃないかって?湯気なんか漂う条件なんかゼロでしたけど?え、プラズマ?なんで山の中の旅館の一室で気体分子が電離するの?いくら夏でもそんな高温になるはずないし(笑)、強力な電場がそこで生じるなんてあるわけ?6人が雑魚寝する部屋で?
え?よくわからないけれど、必ず説明できるはずだって?それって意見ですよね。あなたのこころ、ですよね。
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